コラム

親の介護で一時的に実家に帰る場合、空き家になる自宅をどうする?

実家から離れて暮らしていても、高齢の両親が病気やケガをした際に介護のために帰郷しなければならないケースもあります。

ごく短期であれば問題ありませんが、数か月から年単位で自宅を空けることになると、色々と不都合を招くことになります。

本章では両親を介護するために実家に帰らなければならないケースで、自宅をどうするべきか考えます。

 

■自宅を空き家にすると生じる不都合

 

住宅はだれも住まなくなると湿気などの影響で腐食が進みやすくなり、朽ちるスピードが極端に早まります。

家族が残って住む場合は良いですが、だれも住まない場合は不動産としての価値を急激に低下させることになります。

また空き家状態であっても固定資産税はかかりますから、長期にわたる場合は経費だけがかかる状態となり不経済を招きます。

空き家にすることは非常にもったいないので、何らかの手段で活用する手立てを考えなくてはなりません。

 

■介護にどれくらいの期間を要するか考える

 

介護のためにどれくらいの期間を要するのか、できるだけはっきりさせると自宅の扱いをどうするべきか考えやすくなります。

転倒による骨折など、ケガが原因の場合は完治まである程度の目安を付けやすいでしょう。

病気の場合は、手術からの回復までなど短期間なのか、それとも長期の自宅療養などで相当長い期間を要するのかによって分かれてくるでしょう。

少なくても数年は自宅に戻ってこられないケースでは、思い切って自宅を売却してしまうことも考えられますが、介護は一時的な場合が多いので、その間だけ自宅を賃貸に出すことができれば有効な利用策になります。

概ね半年以上の期間を要するケースの場合、「リロケーション」という手法で賃貸に出すと、手間なく賃貸に出すことができるので便利です。

■リロケーションとは?

 

従来、不動産を他人に貸し出す場合、一度貸してしまうとオーナーが望む時期に確実に賃貸借契約を終了させることが難しかったため、一時的な帰郷などのケースで安心して他人に貸し出すことができませんでした。

借地借家法の改正によってこの問題が解決され、「定期借家契約」という方法を用いることで、将来オーナーが望む任意の時期に確実に賃貸借契約を終了させ、物件を手元に取り戻すことが可能になりました。

例えば介護で帰郷するのが8か月程度であれば、その8か月間だけ賃貸に出して、期間が終わればまたオーナーが自分の自宅として利用できることが確約されます。

介護期間が1年であれば、その期間を借り手との契約期間に設定すればいいわけです。

もし当初の期間よりも介護が長引くことになった場合、定期借家契約を延長することもできます。

例えば当初は半年の介護の予定だったため、定期借家契約も半年に設定していたところ、病気が重なり期間が延びてしまった場合は、定期借家契約も延長することができます。

必要に応じて契約期間を伸長することができるので、見通しが立ちづらい介護のケースでも柔軟な運用が可能です。

 

■物件管理や賃借人管理も任せられる

 

実家に戻るために自宅を離れることになりますから、物件管理や賃借人の管理ができなくなりますが、この点は心配要りません。

リロケーションを手掛ける不動産業者に管理を委託すれば、必要な仕事をすべて任せることができます。

委託費用はかかりますが、家賃収入の数パーセント程度ですので、それほど大きな出費にはなりません。

むしろ、税金だけがかかる負の資産を家賃収入が発生するプラスの資産に変えてくれるわけですから、どちらがお得かははっきりしています。

加えて住人が入るため家屋の腐食が進みにくくなるメリットもあります。

リロケーションは概ね半年以上の期間を設定しないと借り手が付きにくいというデメリットもありますが、介護期間がそれ以上になるケースでは積極的に検討すべき手段といえます。